性の悩み

セックスレスの
原因と向き合い方

関口美奈子

こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。
「いつの間にか、夫婦の営みがなくなってしまった」「誘いたいけれど、断られるのが怖くて言い出せない」。デリケートなだけに、誰にも相談できず、一人で抱えている方が、本当に多いお悩みです。
まず、お伝えしたいことがあります。セックスレスは、決して珍しいことでも、恥ずべきことでもありません。そして、愛情が消えたサインとは、かぎらないんです。今日は、その原因と向き合い方を、落ち着いてお話しします。

セックスレスは、特別なことではない

まず、安心してほしいことがあります。長く一緒にいる夫婦やカップルで、セックスレスに悩む人は、とてもたくさんいます。あなたたちだけの問題ではありません。

「うちだけがおかしいのでは」と思い詰めてしまいがちですが、そんなことはないんです。一緒にいる時間が長くなれば、関係のかたちは自然に変わっていくもの。だからまず、自分たちを責めるのを、やめましょう。レスであることに、過剰な罪悪感を持つ必要はありません。

原因は、たいてい「すれ違い」と「言い出せなさ」

では、なぜセックスレスになるのでしょう。原因は、特定の一つではなく、いくつかが積み重なっていることが多いです。代表的なものを挙げます。

・忙しさと疲れ:仕事や生活に追われ、心と体に余裕がない。
・関係への慣れ:家族のようになり、きっかけを失う。
・心のすれ違い:日々の小さな不満やわだかまりが、距離を生む。
・言い出せない遠慮:断られるのが怖くて、誘えない。お互いに待ってしまう。
・自信のなさ:体型の変化などで、自分に自信が持てない。
多くは、愛情の問題ではなく、きっかけと、言葉のすれ違い。だからこそ、取り戻せる余地があるんですね。

とくに「断られるのが怖い」は、多くの人が抱える壁です。セックスに誘えないときは、求める言い方ではなく、招く言い方に変えるだけで空気がやわらぎます。

「愛情がない」とは、限らない

ここが、いちばん大切なところです。セックスレス=愛情の終わり、ではありません。

「倦怠期」のコラムでもお話ししたように、燃えるような情熱は、どんな関係でも落ち着いていきます。レスであっても、相手を大切に思い、一緒にいて安心できるなら、その関係には、ちゃんと愛情があります。
問題は、レスそのものより、それによって「私は求められていない」「愛されていない」と、すれ違いが深まってしまうこと。だから、まず「これは愛情の問題ではないかもしれない」と捉え直すだけで、不安が少しやわらぎます。

向き合い方:性を急がず、まず「安心」から

では、どう向き合えばいいのでしょう。鍵は、性そのものを急がず、まず心と体の「安心」を取り戻すことです。

1.責め合わない。「なんでしてくれないの」と責めると、相手はますます身構えます。
2.スキンシップから。手をつなぐ、ハグする、肩に触れる。性を目的にしない、安心のふれあいを取り戻す。
3.気持ちを、言葉にする。「あなたが好き」「もっと近くにいたい」と、責めずに伝える。
4.二人で、穏やかに話す。タブーにせず、お互いの気持ちや事情を、落ち着いて共有する。
焦りは禁物です。少しずつ、安心できる距離を、二人で取り戻していく。それが、いちばんの近道なんですね。

セックスレスは、別れの原因になるのか

「このままレスが続いたら、いつか別れることになるのでは」。そんな不安を抱えている方にも、お伝えしておきたいことがあります。レスそのものが、そのまま別れにつながるわけではありません。性がなくても、スキンシップや会話で心が通い合い、穏やかに続いているカップルや夫婦は、本当にたくさんいます。

関係を壊していくのは、レスではなく「すれ違いの放置」です。求めない側の事情を知らないまま、求める側は「私はもう愛されていない」と傷つく。応えられない側は「責められている」と感じて、さらに口を閉ざす。お互いの気持ちを言葉にしないまま、寂しさとわだかまりだけが静かに積もっていく。そうしてある日、「一緒にいる意味が分からない」という場所にたどり着いてしまうのです。

ですから、見るべきなのは回数ではありません。二人がその状態に納得しているかどうかです。二人とも今のかたちを受け入れ、それでも愛情を確かめ合えているなら、心配はいりません。けれど、どちらか一方が寂しさを飲み込み続けているなら、それは関係からの小さなサインです。

サインに気づいたら、早めに手を打つことです。

① 一人で抱え込まず、つらさをためない。

② 「あなたが嫌なわけじゃない」「もっと近くにいたい」と、責めずに伝える。

③ 性より先に、会話とふれあいで心の距離を戻す。

こじれてからでは、ほどくのに時間がかかります。小さなうちに言葉にできる二人は、レスがあっても離れません。これから結婚を考えている方にとっても、性の話を避けずにできる相手かどうかは、静かに確かめておきたい相性のひとつですよ。

まとめ:一人で抱えず、二人で向き合う

セックスレスは、デリケートで、口に出しにくい悩みです。でも、一人で抱え込んで、「愛されていない」と思い詰めるのが、いちばんつらいこと。

大切なのは、責め合うのでも、なかったことにするのでもなく、二人で穏やかに向き合うこと。性を急がず、まずは心の距離から。先に手を伸ばし、気持ちを言葉にできる「持てる人」のやさしさが、固くなった関係を、そっとほぐしていきます。
二人だけでは難しいと感じるときは、専門のカウンセラーなど、第三者の力を借りるのも、決して恥ずかしいことではありません。デリケートなお悩みも、よければ一度ご相談くださいね。

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よくある質問

セックスレスは愛情がなくなったということですか?
そうとは限りません。多くは、忙しさや関係への慣れ、すれ違い、言い出しにくさが積み重なった結果です。愛情があっても、きっかけを失ってレスになることはよくあり、自分たちを責める必要はありません。
セックスレスの主な原因は何ですか?
仕事や生活の忙しさ・疲れ、関係への慣れ、心のすれ違いや不満、断られるのが怖くて誘えない遠慮、自分への自信のなさなどが代表的です。心身の状態が影響することもあります。
セックスレスを解消するにはどうすればいいですか?
性そのものを急ぐより、まず手をつなぐ・ハグするなどのスキンシップや、安心して気持ちを話せる関係を取り戻すことが先決です。責め合わず、二人で穏やかに話し合い、焦らず少しずつ距離を縮めていきましょう。

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