肩書きの華やかさより、人柄の手がかりが効いていた
バレエダンサーでも、会計士でも。魅力を決めたのは人柄の一行だった。
この研究でわかったこと
この研究では、参加者が架空のプロフィールを見て、恋愛相手としての魅力を評価しました。職業はバレエダンサーか会計士で、そこに知性、相性の良さ、才能、男らしさ・女らしさのいずれか1つの特徴を加えて比べる実験が、4つ行われています。全体として、職業の肩書きより人柄の特徴のほうが評価への影響が大きいという結果でした。知性が高い、相性がよいという情報は、職業にかかわらず魅力を大きく押し上げ、特に長期の関係で目立ちました。才能は、関係の種類を問わず小さめの上昇にとどまりました。バレエダンサーが一貫して低く見られることはなく、好ましい特徴が添えられると会計士と同じくらい望ましいと評価されることも多かったそうです。
- 論文
- バレエが魅力を生まないとき:配偶者選好では人柄のシグナルが職業の手がかりを上回る
- 掲載誌・公開
- Journal of Social and Personal Relationships(2026-07-01)
- 方法
- バレエダンサーと会計士の架空プロフィールを同じ参加者が評価する、4つの実験(参加者内計画)
- 原典
- https://doi.org/10.1177/02654075261465751
関口美奈子の読み方
婚活のプロフィールを開くと、私たちはつい職業欄から読みますよね。華やかな職業なら、それだけで魅力が底上げされる気がします。でもこの研究では、芸術性の強いバレエダンサーという職業でも、肩書きの後光だけでは評価は決まりませんでした。会計士と並べても一貫して低く見られることはなく、人柄の情報が好ましければ同じくらい望ましいと評価される場面も多かったのです。
注目したいのは、知性と相性が特に長期の関係で大きく効いたことです。「素敵だな」と思う目と、「この人と続けたい」と思う目は、別の物差しで動いている可能性があります。結婚を意識するほど、職業のきらめきより、話が通じる、噛み合うという手がかりが前に出てくる。そう考えると、婚活で職業欄ばかり見て疲れてしまう理由も、少し説明がつく気がします。
一方で、男らしさ・女らしさの結果は単純ではありませんでした。男らしさが高いと会計士の評価は上がったのに、バレエダンサーでは埋め合わせにならなかったのです。職業のイメージと性別への期待がぶつかると、せっかくの好ましい特徴も効きにくくなりうる。ここには、職業の物語と性別の期待のあいだにできる「期待の段差」が潜んでいるように見えます。
持てる人は、肩書きに目を細める前に、人柄の一行を探します。そして選ばれる側に立つときは、職業の説明を盛るより、相性のよさが伝わる場面を先に差し出します。肩書きの後光に頼らず、自分の人柄を手がかりとして渡せること。それが、長く続く縁を引き寄せる器の見せ方だと私は思います。
明日からの一手
- お相手のプロフィールは、職業欄の次に人柄が伝わる一文を探して読む。肩書きの印象は、いったん横に置いてみましょう。
- 自分のプロフィールには、職業の説明を盛るより、話が噛み合った場面や相性のよさが伝わる短いエピソードを添えてみましょう。
- 職業のイメージと性別の印象がずれるお相手も、先入観で外さず、人柄の手がかりが好ましいかどうかを会って確かめましょう。
評価されたのは架空のプロフィールで、実際の出会いの場面とは異なります。比べた職業はバレエダンサーと会計士だけなので、他の職業に当てはまるかはわかりません。男らしさ・女らしさの結果も一様ではありませんでした。
知識は、使う場所があって初めて効く
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