社会・論考

AIが結婚相手を
選ぶ時代

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。結婚相談所「エースブライダル」を運営しています。
「AIがあなたに最適な結婚相手を選んでくれる」。そんな言葉が、もう絵空事ではなくなりました。データから相性を弾き出し、効率よく出会わせてくれる——たしかに便利です。けれど私は、現場で人と人の縁を見つめてきた立場から、あえて言いたいのです。
AIが最適な相手を選んでくれる時代は、便利なようでいて、私たちから「選ぶ力」を静かに奪っていく、と。今日は、この少し逆説的なお話をさせてください。

「縁のアルゴリズム化」が始まっている

私はこの流れを、「縁のアルゴリズム化」と呼んでいます。

かつて出会いは、職場や友人の紹介、ふとした偶然から生まれていました。それが今は、AI 婚活やマッチングアプリが出会いの主流の一つになり、誰と出会うかをアプリのレコメンドが用意してくれます。さらに進んで、相性すらAIが点数化する。「あなたとこの人は87%」——そんな数字を見れば、つい安心してしまいますよね。
効率はたしかに上がります。けれど、ここに落とし穴があるのです。縁が、計算式の出力結果になっていく。出会うかどうかを、私たち自身ではなく、マッチング アルゴリズムが決めはじめている。それが、今まさに起きていることです。

レコメンドは「過去」しか見ていない

ここで一つ、冷静に思い出してほしいことがあります。AIのレコメンドは、過去のデータに基づいているということです。

あなたが過去に「いいね」を押した相手、登録した条件、似た人たちの行動履歴。AIはそれらを材料に、「あなたが好みそうな人」を差し出します。つまりAIが見せてくれるのは、これまでのあなたの延長線上にいる人ばかり。未来の自分が好きになるかもしれない、思いがけない誰かは、最初から候補に入ってこないのです。
過去のデータが優秀であればあるほど、推薦は「あなたらしい人」に収束していきます。便利さの正体は、実は選択肢を狭める精度の高さでもあるんですね。マッチングアプリ疲れを感じる方が増えているのも、無関係ではないと私は思っています。

「似た者同士」ばかりが残る——効率化のパラドックス

レコメンドが過去に最適化されると、何が起きるか。データ上「似た者同士」ばかりが推薦されるようになります。

同じような価値観、同じような条件、同じような行動の人。それは一見、相性が良さそうに見えます。でも、人が誰かを本気で好きになる瞬間を思い返してみてください。意外と、自分とは違うところに惹かれたのではないでしょうか。予想もしなかった人に、なぜか心を動かされた。あの「想定外」こそ、縁の正体だと私は思うのです。
偶然の出会い——セレンディピティと呼ばれるあの感覚が、アルゴリズムの最適化の中で静かに消えていく。効率は上がるのに、出会いの多様性と意外性は痩せていく。これが効率化のパラドックスです。海外でも婚活へのAI活用は進んでいますが、同じ問いはきっと、これからどの国でも生まれてくるはずです。

出会えないのは、魅力不足ではない

だからこそ、私は声を大にして言いたいのです。あなたが出会えないのは、魅力が足りないからではありません。

婚活がうまくいかないと、人はつい「自分に魅力がないからだ」と落ち込みます。けれど本当の理由は、もっと別のところにあるかもしれません。アルゴリズムが用意した、狭い選択肢の中にいるから。過去のデータから割り出された「あなた向け」の枠の中だけで、出会いを探しているから。
枠の外には、データには表れない、けれどあなたを本当に幸せにする人がいるかもしれない。問題はあなたの価値ではなく、出会いの設計そのものなのです。そう考えると、少し肩の力が抜けませんか。

AIに「恋」までゆだねていいのか

最適化が進むと、私たちはやがて、相手選びだけでなく、関係そのものまでAIに頼りたくなります。AIの恋人に心を慰められる人が現れているのも、その表れでしょう。

否定はしません。寂しさを埋めてくれる技術には、確かな価値があります。けれど、結婚という長い営みは、計算では割り切れないことの連続です。意見がぶつかる、思い通りにならない、それでも一緒にいたいと思える——その揺らぎごと引き受けるのが、人と生きるということ。AIが用意した「最適」は、その揺らぎを最初から取り除こうとします。便利さの先で、私たちは選び、悩み、引き受ける力そのものを手放してしまわないか。私はそこを、いちばん心配しています。

人が介する縁には、AIにない「伴走」がある

では、どうすればいいのか。AIを捨てる必要はありません。大切なのは、アルゴリズムの外側に、意識して身を置くことです。

条件から少し外れた相手にも会ってみる。数字に出ない人柄に目を向ける。そして、人が人を介して結ぶ縁の価値を、もう一度見直すことです。結婚相談所のカウンセラーがしているのは、まさにそこです。データだけでは測れない相性を見て、本人も気づいていない可能性を引き出し、「この人とこの人なら」という偶然を、意図して設計する。
AIが「最適解」を出すなら、人は「偶然と伴走」を担えます。落ち込んだときに隣で支え、思いがけない一人を勧めてみる。その人間くさい関わりこそ、縁のアルゴリズム化の時代に、いっそう価値を増していくと私は信じています。海外の恋愛・結婚トレンドを見ても、効率の先で「人の温度」が求め直される流れは、確かに始まっています。

まとめ:縁は、最適化しきれない

AI 婚活もマッチング アルゴリズムも、使いこなせば心強い味方です。けれど、すべてをゆだねてしまえば、私たちは選ぶ力と、想定外に出会う喜びを手放してしまいます。縁とは本来、最適化しきれない、計算の外側にあるものなのです。

だからどうか、AIが出す点数に一喜一憂しすぎないでください。あなたの幸せは、データの枠の中だけにあるのではありません。
私たちエースブライダルでは、一人ひとりの「数字に出ない魅力」を見つめ、思いがけないご縁との出会いに、人の手で伴走しています。AI時代だからこそ、人を介した婚活を見直したい——そう感じた方は、よければ一度、無料相談でお話を聞かせてくださいね。

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よくある質問

AI婚活やマッチングアルゴリズムは、本当に相性の良い相手を選んでくれるのですか?
AIのレコメンドは、登録データや過去の行動履歴をもとに「条件が近い人」「過去に好まれた傾向に合う人」を提示する仕組みです。効率よく候補を絞れる便利さがある一方、判断材料はあくまで過去のデータです。相性の深い部分や、会って初めてわかる人柄までを保証するものではない、という前提で使うのが安全です。
「縁のアルゴリズム化」とは、どういう意味ですか?
出会いがアプリのレコメンドに最適化され、相性までAIが点数化していく流れを指す言葉です。効率は上がりますが、データ上「似た者同士」ばかりが推薦され、想定外の出会いや偶然の縁(セレンディピティ)が減りやすくなります。便利さと引き換えに、出会いの多様性と意外性が痩せていく。これが効率化のパラドックスです。
AIに頼らず、よい縁に出会うにはどうすればいいですか?
AIを否定する必要はありません。ただ、自分の条件から少し外れた相手にも会ってみる、人の紹介を大切にするなど、アルゴリズムの外側に意識的に身を置くことが鍵です。結婚相談所では、カウンセラーがデータだけでは測れない相性や、本人も気づいていない可能性を見て、偶然の縁づくりに伴走します。

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