ピークエンドの
法則とは

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
「楽しいデートだったのに、最後に少しもめて、なんだか後味が悪かった」。逆に、「途中はぎこちなかったけど、別れ際が素敵で、すごくいい印象が残った」。——こうした経験の裏には、「ピークエンドの法則」という心理が働いています。
今日は、このピークエンドの法則とは何か、そして恋愛や人間関係で、どう活かせるのかを、心理学の視点でお話しします。知っておくと、人の印象が、ぐっと良くなりますよ。

ピークエンドの法則とは

ピークエンドの法則とは、ある経験全体の印象が、感情がもっとも高まった「ピーク」と、「終わり方(エンド)」の、ふたつでほぼ決まるという心理法則です。心理学者の、カーネマンらが提唱しました。

面白いのは、私たちは、経験の「すべて」を覚えているわけではない、ということ。長い時間の、こまかい出来事の多くは、忘れてしまいます。代わりに、いちばん感情が動いた瞬間(ピーク)と、最後の場面(エンド)が、記憶に強く残り、それで全体の印象が決まってしまう。つまり、印象は「平均点」ではなく、「ハイライトと、終わり方」で、作られているんです。

デートは「全部」より「ピークと終わり」

これを恋愛に当てはめると、とても実用的なヒントになります。デートは、全部を完璧にしようと頑張らなくていい、ということです。

最初から最後まで、すべてを完璧にしようとすると、疲れてしまいますし、空回りもします。それより、心に残る「ピーク」を、ひとつ作ること。一緒に感動できる景色、心から笑い合える瞬間。そんなハイライトが、ひとつあれば、それが記憶に残ります。何度も会うことも大切ですが、一回の質は、「ピークがあるか」で決まるんですね。

「別れ際」を、いちばん大切に

そして、ピークと並んで、いえ、それ以上に意識したいのが、「終わり方(エンド)」です。私が、特に大切にしてほしいのは、ここです。

どんなに楽しい時間でも、別れ際が、そっけなかったり、気まずかったりすると、その印象が、全体を上書きしてしまいます。逆に、途中に多少の失敗があっても、最後に、笑顔で「今日は本当に楽しかった、ありがとう」と締めくくれば、印象は、ぐっと良くなる。別れ際の、ほんのひと言、ひとつの笑顔。そこに、いちばん心を込めてください。「終わりよければ、すべてよし」は、心理学的にも、本当なんです。

人間関係・仕事にも、効く

このピークエンドの法則は、恋愛だけでなく、あらゆる人間関係や、仕事にも、応用できます。

会食なら、最後のお見送りを、丁寧に。仕事のやり取りなら、締めの一言を、感じよく。お店なら、お客様を送り出す瞬間を、大切に。人は、「最後にどう扱われたか」を、強く覚えています。だから、別れ際や、締めくくりを、おろそかにしない。これは、人に好かれる人が、自然にやっていることでもあります。最後の印象を制する人が、関係を制する、と言ってもいいくらいです。

まとめ:終わりを、丁寧に締めくくる

ピークエンドの法則は、印象が「感情のピーク」と「終わり方」で決まる心理。私たちは、経験の平均ではなく、ハイライトと、ラストシーンで、相手を記憶しています。

だから、すべてを完璧にしようと気負わず、心に残るピークをひとつ作り、そして何より、別れ際を、丁寧に、気持ちよく締めくくること。最後の笑顔と、ひと言の感謝。それだけで、あなたの印象は、見違えるように良くなります。終わりを大切にする人は、いつも、また会いたいと思われる人なんですよ。
こうした心理学を、恋愛やコミュニケーションに活かすお話は、講演でもお伝えしています。ご関心のある方は、よければお気軽にご相談ください。

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