こんにちは。関口美奈子です。
「性のことで、本当はすれ違いを感じている。でも、どう切り出していいか分からない」。パートナーがいても、いえ、パートナーがいるからこそ、こうしたお悩みを抱える方は少なくありません。
性は、二人の関係のとても大切な一部。なのに、いちばん話しにくいテーマでもあります。今日は、なぜ私たちは性について話せないのか、そして、すれ違いをほどく「性のコミュニケーション」の始め方を、お話しします。
話せないのは、あなたのせいではない
まず知っておいてほしいのは、性について話せないのは、あなたが奥手だからでも、関係が悪いからでもない、ということです。
日本では長く、性を口にすること自体が「はしたない」「いやらしい」とされ、タブー視されてきました。きちんと話し合うための言葉や、お手本を、私たちはほとんど教わってこなかったんですね。だから、話せないのは当然。話さないことが悪いのではなく、話すきっかけと言葉を、まだ持てていないだけ。そう捉え直すところから始めましょう。
「察してほしい」が、すれ違いを生む
性に限らず、日本のコミュニケーションは「察する」ことを美徳としてきました。けれど、こと性に関しては、この「察してほしい」が、最も誤解を生みます。
言葉にしないまま「分かってくれない」と不満をためる。相手も「嫌がられたらどうしよう」と動けない。お互いが相手の出方を待ち、沈黙が続く——。これは、どちらかが悪いのではなく、二人とも、傷つくのが怖くて、言葉にできずにいる状態なんです。だからこそ、勇気を出して先に口を開く側に、関係を動かす力があります。
性のコミュニケーション、3つのコツ
では、どう切り出せばいいのか。デリケートな話だからこそ、伝え方にコツがあります。
1.安心できる雰囲気で。責める空気や、急かす場面では話せません。リラックスした、穏やかなときに。
2.「私」を主語にする(Iメッセージ)。「あなたは〜してくれない」と責めるのではなく、「私は、もっとあなたと近づきたいと感じている」と、自分の気持ちとして伝える。これだけで、相手の受け取り方がまるで変わります。
3.結論を急がない。一度で分かり合おうとせず、まずは「気持ちを共有できた」ことを大切にする。
性の話は、勝ち負けでも、説得でもありません。お互いの気持ちを、安心して開いていくこと。それがゴールです。
土台は、日頃の親密さ
そして、いきなり性の話だけを上手にしようとしても、難しいものです。土台になるのは、日頃の、性以外の親密さだからです。
「ありがとう」を言葉にする。手をつなぐ、ハグする。相手の話に、きちんと耳を傾ける。そうした日々の小さな積み重ねが、「この人になら、本音を話しても大丈夫」という安心を育てます。夫婦円満の土台と、まったく同じなんですね。性のコミュニケーションは、関係全体の親密さの、一部なのです。
まとめ:話せる関係が、いちばんの親密さ
性について話せないのは、あなたの欠点ではありません。話すための言葉を、これから二人で育てていけばいいんです。
大切なのは、察してもらうのを待つのではなく、責めずに、自分の気持ちを言葉にすること。そして、相手の気持ちにも、否定せず耳を傾けること。性についても、安心して話せる関係こそが、いちばんの親密さです。先に心を開ける「持てる人」のやさしさが、沈黙のすれ違いを、そっとほどいていきます。
二人だけでは難しいと感じるときは、専門家に間に入ってもらうのも、よい選択です。デリケートなお悩みも、よければ一度ご相談くださいね。