社会・論考

「したい」のに
「しない」恋愛

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。結婚相談所「エースブライダル」を運営しています。
不思議なデータがあります。最近の調査では、若者の恋愛意欲は過去10年で最高水準にまで回復しました。「積極的に交際したい」と。——ところが同時に、「交際相手がいない」人もまた、過去最多を更新しているのです。「したい」のに、「していない」。この奇妙な乖離を、今日は「したい止まり」と名づけて、考えてみます。

「恋愛離れ」は、誤解だった

長らく、若者の「恋愛離れ」が、語られてきました。けれど、データを見れば、それは半分、誤解です。若者は、恋愛から離れたいわけではない。むしろ、したいと願っている。意欲は、たしかに戻ってきている。

問題は、その願いが、行動に変わらないことです。「したい」という気持ちと、「実際に動く」こととの間に、見えない壁がある。恋愛をしないのではなく、恋愛に踏み出せない。この区別は、とても大切です。なぜなら、処方箋が、まったく変わってくるからです。

願望と行動を隔てる「3つの壁」

では、何が、願いと行動を隔てているのか。私は、三つの壁があると見ています。

ひとつは、失敗への恐れ。傷つくくらいなら、最初から動かない。SNSで他人の幸せを見るほど、自分の失敗が怖くなる。二つめは、きっかけの消滅。職場や学校で自然に芽生えた出会いが、減ってしまった。三つめは、タイパ意識。うまくいくかわからない恋愛に、時間とエネルギーを賭ける踏ん切りがつかない。——この三つが重なり、「したい」が、宙づりになるのです。

「待ち」では、永遠に始まらない

残酷な事実があります。意欲がどれだけ高くても、『待ち』の姿勢でいる限り、恋愛は始まらないということです。かつては、待っていても、まわりがきっかけを運んでくれました。

けれど、自然な出会いが細った今、動かない人のもとには、何も訪れません。「いい人がいれば」「タイミングが合えば」——その『れば』を待つうちに、一年、また一年と過ぎていく。意欲という燃料はあるのに、エンジンをかけないまま、車庫で眠らせているようなものです。

「場」を変えれば、行動はついてくる

では、どうすればいいか。意志の力で「勇気を出せ」と言っても、壁は越えられません。現実的なのは、意志に頼らず、『場』を変えることです。

出会いが前提の場所に、身を置く。最初から「恋愛・結婚をしたい人」だけが集まる場に入れば、踏み出すハードルは、ぐっと下がります。婚活がうまくいく人は、特別に勇気があるのではありません。勇気が要らない場所を、賢く選んでいるだけなのです。相談所やマッチングの仕組みは、この「したい止まり」を解くために、存在しています。

「したい」は、消費期限がある

最後に、いちばん伝えたいこと。「したい」という気持ちには、消費期限があります。動かないまま放っておくと、人は「したい」こと自体を、忘れていきます。

「べつに、ひとりでもいいか」。そう自分に言い聞かせるのは、たいてい、願いが叶わなかったことへの、防衛です。本当は「したい」のに、「しない」と思い込もうとする。その前に——意欲が、まだ熱いうちに。小さくていいから、一歩、動いてみてほしいのです。

おわりに:意欲を、行動に変える

「したい」のに「しない」のは、あなたの意志が弱いからではありません。願望と行動を隔てる壁が、時代とともに、高くなっただけ。だからこそ、意志ではなく、『場』を変える。それが、いちばん確実な突破口です。

意欲という、いちばん大切な火種は、もうあなたの中にあります。あとは、それを行動に変える環境を選ぶだけ。私たちは、その一歩を、そっと後押しする場所でありたいと思っています。「動けないまま」で終わらせたくない方は、よければ一度、お話を聞かせてくださいね。

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よくある質問

恋愛したいのに行動できないのはなぜですか?
願望と行動の間に「3つの壁」があるからです。新成人の恋愛意欲は過去最高なのに交際相手のいない人も最多——「したい止まり」は意志ではなく仕組みの問題です。
恋愛意欲は高いのに相手がいないのはなぜ?
「待ち」の姿勢では出会いが始まらないからです。意欲があっても、出会いの「場」に身を置かなければ行動には移りません。場を変えることが第一歩です。
「したい」を行動に変えるにはどうすれば?
出会いの「場」を意識的に変えることです。場が変われば行動は自然についてきます。意欲には消費期限があるので、整うのを待たず、小さく動き出すことが大切です。

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