人前で緊張
しなくなる方法

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
会議での発言、プレゼン、面接、結婚式のスピーチ。人前に立つと、声が震え、頭が真っ白になる——そんなあがり症に悩む方は、本当にたくさんいます。
でも、まず知ってほしいことがあります。人前で緊張するのは、あなたの心が弱いからではありません。「失敗してはいけない」と、自分を見張りすぎているから。じつは、吃音症や赤面症があった私自身も、ずっとそうでした。今日は、緊張と上手につきあう方法をお話しします。

あがりの正体は「自分に向きすぎた意識」

人前であがるのは、注目される場面で「うまくやらなきゃ」「変に思われたくない」と、意識が自分にばかり向くからです。

「声が震えていないか」「顔が赤くなっていないか」。自分を監視する目が増えるほど、緊張は雪だるま式にふくらみます。つまり、あがりとは、能力の問題ではなく意識の向き先の問題。自分にカメラを向けすぎているんですね。ここに気づくと、対処の糸口が見えてきます。

私も、人前が怖くてたまらなかった

少しだけ、私自身の話を。
いまでは講演で何百人もの前に立ちますが、もともとの私は、人前に出るのが怖くてたまりませんでした。吃音症で言葉に詰まり、赤面症で顔が真っ赤になる。接客の現場でも、何度も悔しい思いをしてきました。

そんな私が変われたのは、緊張を“克服”したからではありません。緊張を消そうとするのをやめたからです。震えても、赤くなってもいい。そう思えたとき、肩の力が抜けて、かえって伝わるようになっていきました。

「なくそう」とするほど、緊張は強くなる

ここに、大事な逆説があります。緊張を「消そう、抑えよう」とすればするほど、緊張は強くなります。

「緊張するな」と念じるのは、「赤い象を想像するな」と言われて想像してしまうのと同じ。意識すればするほど、そこに囚われてしまうんです。
だから、第一歩は緊張を受け入れること。「緊張しているな、当たり前だな」と認めてあげる。緊張は、あなたが真剣に向き合っている証拠であって、敵ではないんですね。

意識を「自分」から「相手」へ移す

では、具体的にどうするか。鍵は、意識の向きを、自分から相手へ移すことです。三つ、お伝えします。

ひとつめ、「上手に話す」をやめ、「相手に伝える」にする。自分がどう見えるかより、相手に何を届けたいかに集中する。意識が外に向くと、あがりは驚くほど軽くなります。
ふたつめ、場数を踏む。緊張は、慣れで必ずやわらぎます。小さな場で、何度も経験を重ねる。
みっつめ、準備する。「ここまで準備した」という事実が、根拠のある安心をくれます。
緊張は、ゼロにしなくていい。味方につければいいんです。

緊張できる人は、誠実な人

最後に。
人前で緊張してしまうあなたは、いいかげんな人ではありません。むしろ、その場を大切にし、相手に誠実であろうとしている人です。

堂々としている人も、内心は緊張しています。違いは、緊張をなくしたかどうかではなく、緊張を抱えたまま一歩踏み出せるかどうか。完璧に話す必要はありません。たどたどしくても、あなたの誠実さは、ちゃんと伝わります。
意識を相手へ向け、緊張ごと差し出せる——そんな「持てる人」の姿勢でいれば、人前は、少しずつ怖くなくなっていきますよ。あがり症だった私が変われたように、あなたも、必ず。

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