後輩・部下の
育て方

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
「後輩や部下が、思うように育たない」「何度言っても変わらず、つい厳しくしてしまう」。人を育てる立場になって、初めてぶつかる、大きな悩みです。自分のことより、人を伸ばすほうが、ずっと難しいんですよね。
でも、長く人と組織を見てきて、はっきり言えることがあります。人が育つかどうかは、本人の能力より、育てる側の「関わり方」で決まります。今日は、人が伸びる上司がやっている、育て方のコツをお話しします。

人は「正される」より「認められて」伸びる

まず、育成の大前提から。人は、欠点を正されることより、できている点を認められることで、伸びます。

育てるのが下手な人ほど、ミスや足りない点ばかりを指摘します。もちろん、悪気はありません。「良かれと思って」正そうとする。でも、ダメ出しばかりされると、人は萎縮し、自信を失い、挑戦しなくなります。逆に、できている点をきちんと認められると、人は安心し、もっと頑張ろうとする。承認は、人を伸ばすエネルギーなんです。まずは、相手の「できているところ」に、目を向けてあげてください。

叱るときは「人格」ではなく「行動」を

とはいえ、ときには、指摘や注意も必要です。そのときに大切なのが、「人格」ではなく「行動」を、叱ることです。

「なんで、こんなこともできないの」——これは、人格を否定する言い方です。言われた相手は、「自分はダメな人間だ」と感じるだけで、何も改善できません。そうではなく、「この部分を、こう直そう」と、具体的な行動を、事実ベースで伝える。感情で責めず、事実で示す。さらに、良い点も合わせて伝えれば、相手は前向きに受け止められます。伝え方ひとつで、同じ注意が、成長のきっかけにもなれば、心の傷にもなるんです。

「任せる」ことでしか、人は育たない

三つ目は、育成の核心です。人は、任されることでしか、育ちません。

「失敗されると困るから」と、何でも自分でやってしまう。あるいは、任せても、口を出しすぎる。これでは、いつまでも人は育ちません。最初は小さな仕事から、多少の失敗は見込んだうえで、思いきって任せる。そして、ぐっとこらえて、見守る。任された経験と、「やりきった」という実感が、人を大きく成長させます。信じて任せる勇気が、育てる側には、いちばん必要なのかもしれません。

育てることは、相手をよく「見る」こと

そして、すべての土台になるのが、相手を、よく見ることです。

一人ひとり、得意なことも、つまずくポイントも、違います。ある人には響く言葉が、別の人には響かない。だから、マニュアル通りではなく、その人をよく観察し、その人に合った関わり方を選ぶ。これは、相手に関心を向ける、ということです。「ちゃんと見てくれている」と感じられること自体が、部下にとって、大きな安心と励みになります。育成とは、管理ではなく、信頼の関係づくりなんですね。

まとめ:人を育てることは、自分も育つこと

後輩・部下の育て方のコツは、認めて伸ばす・人格でなく行動を叱る・任せて見守る・一人ひとりをよく見る——どれも、相手を「正す」より、相手の力を「引き出す」関わり方でした。

人を育てるのは、根気のいることです。でも、誰かの成長に関わり、その人が伸びていく姿は、何よりの喜び。そして、人を育てる過程で、自分自身もまた、人として大きく育っていきます。焦らず、相手を信じて、関わってあげてくださいね。
人材育成やマネジメント、職場のコミュニケーションは、企業研修・講演でよくお伝えしているテーマです。社内の育成にお悩みの方は、よければお気軽にご相談ください。

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