苦手な人との
付き合い方

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
職場でも、ご近所でも、どうしても「この人、苦手だな」という相手はいるものです。会うたびに気が重くて、消耗してしまう。
そんな方に、まずお伝えしたいことがあります。苦手な人を、無理に克服する必要はありません。むしろ、相手を変えようとするのをやめた瞬間、関係はぐっと楽になります。今日は、苦手な人と上手に付き合う考え方をお話しします。

苦手な人は、誰にでもいる

まず、大前提を。どんな人にも、苦手な相手は必ずいます。これは、あなたの心が狭いからでも、人間ができていないからでもありません。

人はそれぞれ価値観もリズムも違うのですから、全員と気が合うほうが不自然です。「苦手な人がいる自分はダメだ」と責めるのを、まずやめましょう。苦手な相手がいるのは、ごく当たり前のこと。そう認めるだけで、心はずいぶん軽くなります。

いちばん消耗するのは「変えようとすること」

苦手な人との関係で、私たちがいちばん疲れるのは何だと思いますか。それは、相手を変えようとすることです。

「どうしてあの人はああなんだろう」「もっとこうしてくれたらいいのに」。そう思って相手の言動に一喜一憂するほど、心はすり減ります。でも、人はそう簡単には変わりません。
以前のコラムでお話しした「それは誰の課題か」を思い出してください。相手がどう振る舞うかは、相手の課題。あなたにはコントロールできません。変えられない相手を変えようとするのをやめる。これが、楽になる最初の一歩です。

「好きになる」のではなく「距離を最適化する」

では、どう付き合えばいいのか。目指すのは、苦手な人を好きになることではありません。ちょうどいい距離を見つけることです。

苦手なまま、で構わないんです。仕事で必要な相手なら、プライベートと割り切って、最低限の誠実な対応に絞る。好かれようとも、嫌われまいともしない。淡々と、役割の範囲でだけ関わる。
そして、関わらなくていい相手なら、そっと距離を置く。無理に近づいて消耗するより、心の安全な距離を保つほうが、ずっと健全です。好き嫌いはそのままに、敬意だけ保てば十分なんですね。

苦手な人は、自分を映す鏡でもある

もうひとつ、少し違う視点を。苦手な相手は、ときに自分自身を映す鏡になることがあります。

「自慢ばかりの人が苦手」なら、自分も認められたい気持ちがあるのかもしれない。「強引な人が苦手」なら、自分が我慢しがちなのかもしれない。苦手な感情の奥をのぞくと、自分の隠れた一面が見えてくることがあります。
すべての苦手な人から学ぶ必要はありません。でも、ときどき「なぜ私はこの人が苦手なんだろう」と問うてみると、自分を知るヒントになることもあるんですね。

大切なのは、大切な人に心を使うこと

最後に。
苦手な人にエネルギーを奪われていると、本当に大切な人へ向ける心が、すり減ってしまいます。だからこそ、苦手な人には、ほどよい距離を。

限られた時間と心を、苦手な誰かに使い果たすのではなく、あなたを大切にしてくれる人へ、たっぷり注ぐ。先に与え、相手の可能性を信じられる「持てる人」のあたたかさは、合わない全員にばらまくものではなく、大切な人にこそ向けたいものです。
苦手な人は、変えなくていい。好きにならなくていい。ちょうどいい距離を保って、あなたの心を、もっと大切な場所に使ってくださいね。

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