大人になってからの
友達の作り方

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
「学生時代は普通に友達がいたのに、社会人になってから、新しい友達がまったくできない」。そんな声を、本当によく聞きます。
でも、安心してください。大人になって友達ができにくいのは、あなたに魅力がないからでも、社交性が足りないからでもありません。ただ、出会いの“仕組み”が変わっただけなんです。仕組みが分かれば、大人でも友達は作れます。今日はその方法をお話しします。

大人に友達ができにくい、本当の理由

子どもの頃、友達は自然にできました。なぜでしょう。それは、学校という、毎日同じ人と、長い時間を一緒に過ごす環境があったからです。

友情が育つには、「何度も顔を合わせる」「一緒に時間を過ごす」ことが欠かせません。ところが大人になると、その環境が消えます。職場の関係は役割中心で、放課後のように“無目的に一緒にいる”時間がない。つまり、友達ができにくいのは、あなたのせいではなく、友情が自然に育つ“土壌”がなくなったから。以前「友情の蒸発」というコラムでお話しした通りなんですね。

カギは「繰り返し会える場所」に行くこと

では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。失われた“土壌”を、自分でつくればいい。具体的には、同じ関心を持つ人と、繰り返し顔を合わせられる場所に通うことです。

趣味のサークル、習い事、ジム、社会人向けの学びの場、地域の集まり。一度きりのイベントではなく、「繰り返し通える場所」を選ぶのがポイントです。人は、何度も顔を合わせる相手に、自然と親しみを感じます(心理学でいう「単純接触効果」ですね)。同じ場所に通い続けるだけで、友情の種は、まかれていくんです。

「こちらから、少し心を開く」

場所に通うだけでなく、もうひとつ大切なことがあります。それは、こちらから、少しだけ心を開くことです。

あいさつをする。「いつも頑張ってますね」と声をかける。「今度よかったらお茶でも」と誘ってみる。相手が動いてくれるのを待つのではなく、自分から小さな一歩を差し出す。先に与え、心を開ける「持てる人」のふるまいは、友情でも効きます。勇気がいりますが、たいていの人は、声をかけられると嬉しいもの。断られても、それは縁がなかっただけ。気にせず、また次へ進めばいいんです。

「たくさん」ではなく「一人」でいい

ここで、肩の力を抜く話を。大人の友達作りで、大勢の友達グループを目指す必要は、まったくありません。

大人にとって本当に大切なのは、数ではなく質です。利害もぬきに、ただ一緒にいて心地よい——そんな相手が、一人いれば十分。むしろ、年齢を重ねるほど、そういう深い友情こそが、人生を豊かに支えてくれます。「友達100人」ではなく、「気の合う一人」。そう思えば、ぐっと気が楽になりませんか。

無目的な時間を、もう一度

最後に。
大人になってからの友情の鍵は、結局、「無目的に一緒に過ごす時間」を、意識して取り戻すことです。

用がなくても連絡する。意味を求めずに、ただお茶を飲む。一見“無駄”に思えるその時間こそが、友情を育てます。効率を求める日々のなかで、あえて無駄な時間を誰かと過ごす——それは、人生をやわらかくする、大切な投資です。
友達は、子どもだけの特権ではありません。何歳からでも、新しい縁は結べます。今日、気になる場所に一歩、足を運んでみてください。そこから、あなたの新しい友情が、きっと始まりますよ。

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