心理学

両面提示

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
「私、いいところしかありません!」——そう言い切る人より、「短所もあるんです」と正直に話す人のほうが、なぜか信頼できる。そう感じたこと、ありませんか。これは、「両面提示」という心理が働いているからです。今日は、その仕組みと、恋愛のプロフィールや会話、仕事で生かすコツを、お話しします。

両面提示とは

両面提示とは、メリットだけでなく、デメリットや短所もあわせて伝える話し方です。反対に、良い面だけを伝えるのが「片面提示」。

たとえば、「この物件は、駅から近くて日当たりも最高です」が片面提示。「駅近で日当たりも良いですが、線路が近いので少し音が気になるかもしれません」が両面提示です。一見、後者は不利に思えます。でも——信頼を勝ち取るのは、たいてい後者なのです。

なぜ、短所を言うほど信頼されるのか

理由は、人の心理にあります。良いことばかり言う相手に、人は『何か隠しているのでは』と、無意識に警戒する。営業トークが、どこか胡散臭く聞こえるのも、これです。

一方、短所まで正直に話す人には、「この人は、包み隠さず話してくれる」と感じる。すると、その誠実さが、長所の信頼性まで引き上げるのです。ちなみに、伝える順番にもコツがあって、短所を先、長所を後にすると、最後の良い印象が強く残ります。これはフレーミング効果とも関わる、伝え方の技術です。

恋愛・婚活で生かすコツ

これは、恋愛や婚活で、とても効きます。完璧に見せようとするより、短所も少し見せたほうが、人は安心し、心をひらくからです。自分の弱さを開示することは、親密さを生む自己開示そのものでもあります。

コツは、短所に、それを補う一言を添えること。「心配性ですが、その分、約束は必ず守ります」「不器用ですが、一度決めた人は、大切にします」。——ただ欠点を並べるのではなく、正直さと誠実さが、セットで伝わる形にする。婚活プロフィールに、こうした一文があると、ぐっと人間味が増して、会ってみたくなります。

使うときの、注意点

ただし、両面提示にも、向き不向きがあります。相手がすでにあなたを信頼している場合や、知識のある相手には、両面提示が効果的。一方、相手が乗り気で、細かいことを気にしていない場面では、かえって不安を煽ることも。

また、短所を出しすぎて、ただのネガティブな人になっては逆効果です。あくまで、「正直さが伝わる範囲」で、ひとさじ。バランスが、すべてです。

おわりに:正直さは、最強の戦略

両面提示が教えてくれるのは、シンプルな真実です。長い目で見れば、正直であることが、いちばん人に信頼される。小手先で良く見せても、いつか化けの皮ははがれます。でも、正直な人の魅力は、時間とともに、増していきます。

完璧を演じるのに、疲れていませんか。短所も含めて、ありのままの自分を、少しだけ見せてみる。そのほうが、ずっと楽で、ずっと好かれます。こうしたコミュニケーションや心理の話は、講演や研修でもお伝えしています。ご関心があれば、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

両面提示とは何ですか?
メリットだけでなく、デメリットや短所もあわせて伝える話し方です。良い面だけを伝える『片面提示』に対し、両面を示すことで誠実な印象を与え、相手の信頼を得やすくなります。
なぜ短所も伝えると信頼されるのですか?
良いことばかり言う相手には、人は『何か隠しているのでは』と警戒します。短所も正直に話すと、『この人は包み隠さず話してくれる』と感じ、かえって全体の信頼度が上がるためです。短所を先に、長所を後に伝えると、より好印象になります。
両面提示を恋愛や婚活で使うコツは?
短所を伝えるときに、それを補う一言や前向きな側面を添えることです。たとえば『心配性ですが、その分、約束は必ず守ります』のように。ただ欠点を並べるのではなく、正直さと誠実さが伝わる形にすると、信頼と安心につながります。

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