性的同意とは

関口美奈子

こんにちは。関口美奈子です。
近年、「性的同意」「セクシュアル・コンセント」という言葉を、よく耳にするようになりました。けれど、「言葉は知っているけれど、具体的にどういうこと?」という方も、多いのではないでしょうか。
これは、特別な人のための難しい話ではありません。大切な人と、お互いを尊重し合うための、ごく基本的な考え方です。今日は、大人の性教育として、できるだけやさしくお話しします。

性的同意とは、「イエス」を確かめ合うこと

性的同意とは、ひとことで言えば、性的な行為について、お互いが、自分の意思で「イエス」と表明し、それを確かめ合うことです。

大事なのは、対等な立場で、自分の気持ちとして「いいよ」と言えていること。そして、その「イエス」は、いつでも変えていいということ。昨日はよくても、今日は気が乗らない。途中で気持ちが変わる。それは、まったく自然なことです。だから同意は、一度取れば終わりではなく、その都度、確かめ合うものとされています。

「嫌と言わなかった」は、同意ではない

ここが、最も誤解されやすいところです。沈黙や、はっきり断らなかったことは、同意ではありません。

「ノー」と言わなかったから、いいと思った——。これは、危うい考え方です。人は、怖いとき、立場が弱いとき、空気を壊したくないとき、嫌でも「ノー」と言えないことがあるからです。言えなかったのは、同意したからではない。だからこそ、「イエス」という積極的な意思を確かめることが大切だ、という考え方が、いま世界的に共有されています。「察する」のではなく、確かめる。これが基本です。

親しい仲でも、夫婦でも

「恋人同士なのに」「夫婦なのに、いちいち確認なんて」と感じる方もいるかもしれません。けれど、親密な関係だからこそ、同意は大切なんです。

関係が近いほど、「言わなくても分かるはず」という思い込みが生まれ、相手の気持ちを置き去りにしてしまいがちです。でも、どんなに親しくても、相手は自分とは別の人間。その都度、相手の気持ちを確かめ、尊重し合う。その積み重ねが、信頼と安心を育てます。同意は、関係を堅苦しくするものではなく、性のコミュニケーションそのものであり、親密さを深めるものなんですね。

同意は、相手も自分も守る

性的同意の文化は、誰かを縛るためのものではありません。相手の心と体を守ると同時に、自分自身も、思わぬかたちで相手を傷つけてしまうことから守ってくれるものです。

「相手は本当に望んでいるだろうか」と気にかけ、確かめ合える人は、安心して愛し合える人です。それは、相手の意思を尊重できる、成熟した「持てる人」の姿でもあります。同意とは、ルールである前に、大切な人への、思いやりのかたちなのです。

まとめ:尊重し合える関係を、当たり前に

性的同意は、難しい知識ではなく、「相手の気持ちを確かめ、尊重する」という、当たり前の思いやりを、性の場面でも忘れない、ということです。

「嫌と言わない=いい」ではなく、「イエス」を確かめ合う。いつでも気持ちは変えていい。親しい仲でも、その都度尊重し合う。こうした考え方が当たり前になることが、お互いを大切にできる、健やかな関係の土台になります。
こうした大人の性教育や、パートナーシップの話は、講演でもお伝えしています。関心のある方は、よければお気軽にご相談くださいね。

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