こんにちは。関口美奈子です。
「やりたいことが、見つからない」。仕事でも人生でも、そんなふうに立ち止まってしまう方は、とても多いんです。まわりが夢に向かって進んでいるように見えて、焦ってしまうこともありますよね。
でも、安心してください。やりたいことが見つからないのは、あなたに情熱がないからではありません。頭の中だけで「正解」を探しているから。探すのをやめると、かえって見えてくるんです。
やりたいことは「探す」より「育つ」
多くの人が、やりたいことを、どこかに隠された“正解”のように考えています。「本当の自分にぴったりの、運命の何か」を、頭で探し当てようとする。
でも、やりたいことは、宝探しのように見つかるものではありません。実際にやってみて、「あ、これ好きかも」「もっと知りたい」と感じる——そんな経験の中で、後から少しずつ育っていくものなんです。以前「運命の人」のコラムでお話ししたことと、よく似ています。運命の仕事も、出会った瞬間に決まっているのではなく、育てた先に見えてくるんですね。
見つからない、3つの理由
では、なぜ見つからないと感じるのか。よくある理由が三つあります。
ひとつめ、「正解」を探している。間違えたくなくて、完璧な天職を頭で探すほど、動けなくなる。
ふたつめ、ハードルを上げすぎている。「一生をかけられる壮大な夢」でなければ、と思い込んでいる。
みっつめ、他人の物差しで考えている。すごいと言われること、稼げることを基準にして、自分の「好き」が見えなくなっている。
どれも、まじめな人ほど陥りやすい落とし穴です。あなたが怠けているわけでは、決してありません。
小さな「好き」を、行動に変えてみる
では、どうすればいいのでしょう。鍵は、頭で考えるのをやめて、小さく動いてみることです。
壮大な夢でなくて、いいんです。「ちょっと気になる」「なんとなく好き」。その小さな種を、実際に試してみる。本を読む、講座に出る、少しやってみる。やってみて初めて、合うか合わないか、もっとやりたいかどうかが分かります。やりたいことは、考えて見つけるのではなく、動いて出会うもの。一歩動くたびに、ぼんやりしていた輪郭が、少しずつはっきりしてきますよ。
私のやりたいことも、最初はなかった
最後に、私自身の話を。
いまでこそ、作家として本を書き、会社を経営し、講演をしていますが、若い頃の私に、こんな明確な「やりたいこと」があったわけではありません。吃音症や赤面症で、自分に自信もなく、将来の夢など描けませんでした。
それでも、目の前のことに必死で取り組み、「これは好きかも」「もっとできるようになりたい」という小さな気持ちを、一つずつ行動に変えてきた。その積み重ねの先に、いまの仕事があります。最初から完璧な天職を持っている人なんて、ほとんどいません。
やりたいことが見つからなくても、焦らないでください。探すのをやめて、目の前の小さな「好き」に、一歩だけ手を伸ばす。先に動き、先に与えられる「持てる人」として、できることを重ねていけば、道はあとから、ちゃんとついてきますから。