理想の条件は似通うのに、地雷はひとりひとり違っていた
理想の条件は似通い、地雷だけがばらけていた。
この研究でわかったこと
この研究では、デートの相手に関する特徴の「中身」ではなく、出てくる数と似かたという構造に注目しました。参加者が挙げた特徴は、良い特徴のほうが悪い特徴より多くなりました。一方で、悪い特徴は良い特徴よりばらつきが大きく、意味の上でも互いに離れていました。つまり、望ましい相手像には合意が多く、望ましくない特徴には合意が少ないということです。さらに、ほかの特徴と最も似ている特徴ほど、デートで重要と評価されました。仮想のデート判断では、悪い特徴の重要度と似かたの両方が判断を予測していました。4つの研究、合計1074人のデータです。
- 論文
- デートの場面における、特徴の良し悪しによる非対称性
- 掲載誌・公開
- European Journal of Social Psychology(2026-10-06)
- 方法
- 4つの研究(合計1074人):デート相手の特徴を挙げてもらう課題と、仮想のデート判断
- 原典
- https://doi.org/10.1002/ejsp.70121
関口美奈子の読み方
婚活の現場では、「優しい人がいい」「誠実な人がいい」と、理想の条件は驚くほど似た言葉で語られます。この研究の結果は、その実感を後押しするものでした。良い特徴は、みんなが話せる共通語。避けたい特徴は、人ごとに違う減点の方言だったのです。
共通語で勝負すると、何が起こるでしょうか。誰もが「優しい」「誠実」を掲げる市場では、加点は横並びになりやすいはずです。一方、減点の方言は一人ひとり違います。だからデートの判断を分けるのは、「何を持っているか」より「何を踏まないか」なのかもしれません。この研究でも、悪い特徴の重要度と、ほかの特徴との似かたが、仮想のデート判断を予測していました。
ここで「持てる人」の出番です。持てる人は、自分の長所を並べて安心したりしません。相手がどんな減点の方言を話す人なのかを、先にやわらかく聞きにいきます。「これだけは苦手」を安心して話せる場をつくることが、先に与える余裕だからです。
そして読者のあなたへ。自分の地雷が人と違うことは、わがままではありません。ある人にとっての地雷が、別の人にはまったく気にならないこともあるでしょう。ただし、これは私の読み方です。この研究が示したのは、特徴の構造と仮想の判断との関連までです。
明日からの一手
- 初デートの前に、自分の「これだけは苦手」を書き出してみる。減点の方言は自分でも言葉にしにくいので、先に言語化しておくと判断がぶれにくくなります。
- 相手の地雷は、質問で先にやわらかく聞く。「疲れるのはどんな時?」のように責めない聞き方なら、相手も安心して減点の方言を話せます。
- お見送りを考えるときは、減点の理由が「自分の地雷」なのか「誰もが避ける特徴」なのかを分けて見る。前者なら、相手に非があるとは限りません。
仮想のデート場面での判断を調べた研究で、実際の交際や結婚の経過を追ったものではありません。参加者の属性は確認できず、日本の婚活にそのまま当てはまるとは限りません。結果は関連であり、因果ではない点にも注意が必要です。
知識は、使う場所があって初めて効く
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