こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。
婚活中にSNSやマッチングアプリの体験談を眺めていて、「みんな自分より早く、うまくいっているように見える」と感じたことはありませんか。
結論から言うと、それは目の錯覚に近いものです。
婚活を終えて幸せそうな報告をする人は、SNSにも口コミにも残ります。
けれど、うまくいかずに静かに婚活を離れた人の声は、どこにも残りません。
あなたが見ているのは、生き残った側の物語だけなのです。
この心理の仕組みを「生存者バイアス」と呼びます。
のべ3万人以上の方と面談してきた私が、婚活における生存者バイアスの正体と、その錯覚から自由になる考え方をお伝えします。
なぜ『うまくいった人』ばかり目につくのか
生存者バイアスとは、もともと第二次世界大戦中の分析で使われた考え方です。帰還した戦闘機の被弾箇所だけを見て「ここを補強すればいい」と判断しかけた学者たちに対し、統計学者は「撃墜されて戻れなかった機体の被弾箇所こそ見るべきだ」と指摘しました。生き残った側のデータだけを見ていると、判断そのものが歪むという教訓です。
婚活の世界でも、これと同じことが起きています。半年で成婚した人、理想の相手と出会えた人は、報告する動機があります。うれしいから話したいし、誰かの参考にもなりたい。一方で、うまくいかずに疲れて離れた人、条件面で折り合わず退会した人は、あえてその経緯を語りません。結果として、目に入る声は「うまくいった人」の側に偏ります。
『退場者の沈黙』が生む錯覚
私はこの構造を「退場者の沈黙」と呼んでいます。婚活の場から静かに去った人ほど声を残さない、という現象です。うまくいかなかった経験は、恥ずかしさや徒労感を伴います。だから多くの人は、それを共有せずにフェードアウトします。声が残らないということは、存在しなかったことと同じように扱われてしまう。これが錯覚の正体です。
結果として婚活市場に流れる情報は、成功者の声で埋め尽くされます。友人の結婚ラッシュに焦る心理も、根っこは同じです。目に入るのは幸せな報告ばかりで、その裏でどれだけの人が試行錯誤し、時に立ち止まったかは見えません。見えないものを「存在しない」と扱ってしまうと、自分の歩みの遅さだけが際立って見えてしまいます。
SNSと結婚相談所の『成功の見本市』
SNSは特にこの錯覚を増幅します。SNSを見ると恋愛がつらくなるのは、幸福な瞬間だけが切り取られて流れてくる構造のせいだと以前お伝えしました。生存者バイアスは、その構造にさらに輪をかけます。結婚相談所の成婚レポートも、口コミサイトの高評価も、基本的には「うまくいった側」が残す記録です。
私自身、面談の場では成婚に至らなかった方の悩みや葛藤にも数多く向き合ってきました。表舞台に出ないその過程こそが、実は婚活のリアルな大部分を占めています。見本市に並んでいるのは完成品だけで、試作段階でお蔵入りになったものは棚に並びません。婚活の情報も、構造としてはそれとよく似ています。
比較をやめて『自分のサンプル数』を増やす
生存者バイアスから自由になる一つの方法は、他人の成功例と自分を比べるのをやめて、自分自身のサンプル数を増やすことです。人と比べて落ち込む癖がある方ほど、他人の「結果」だけを見て、自分の「途中経過」を過小評価してしまいます。しかし婚活は本来、何人かと会って、話して、時には合わずに終わる、その繰り返しの中でしか進みません。
途中経過そのものがデータです。誰かと会って「違うな」と感じたなら、それは自分の基準を知るための貴重な一件になります。婚活に疲れたときほど、他人の完成された報告と自分の途中経過を並べて落ち込みがちです。でも本来比べるべきは、半年前の自分の理解度と、今の自分の理解度です。
まとめ:生存者バイアスを手なずける
SNSや口コミに流れてくる「うまくいった話」は、婚活のごく一部の断面にすぎません。見えていないところに、あなたと同じように悩み、試行錯誤している人がたくさんいます。同時に何人かと会う婚活のかたちに罪悪感を持つ方もいますが、それも自分のサンプルを丁寧に増やしている証拠だと私は思います。
生存者バイアスを完全になくすことはできません。けれど、その存在を知っているだけで、他人の成功談に振り回される頻度はぐっと減ります。もし一人で抱え込んで判断に迷ったときは、客観的な視点を持つ第三者に途中経過を見てもらうことも一つの方法です。エースブライダルでは、成婚された方だけでなく、途中でつまずいた方の事例も踏まえてお一人おひとりに伴走しています。まずは無料相談で、あなたの「途中経過」を一緒に整理してみませんか。
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