世界の恋愛研究ノート関口美奈子 公式サイト
恋愛心理2026-10-07

性格が似ているより、同じ瞬間に笑えた回数

相性を決めるのは、性格の一致ではないのかもしれません。同じ瞬間に同じことを感じたかどうかです。

この研究でわかったこと

相手と「今、同じ主観的な体験をしている」と感じることをIシェアリングといいます。この研究では、恋人とのIシェアリングを感じる頻度が日によってどう揺れ、その日の関係とどう結びつくかを日記で調べました。Iシェアリングを感じた頻度は、関係の満足や充実感、相手が本当の自分を知っているという感覚、相手への思いやりある行動の自覚と、いずれもプラスの関連がありました。しかもこの関連は、性格が似ていると感じること(Meシェアリング)とは別に見られました。

論文
同じ目で見るとき火花が散る:Iシェアリングと関係の質の日記調査
Seeing I to I Makes Sparks Fly: Daily Diary Investigation of I-Sharing and Relationship Quality
掲載誌・公開
Journal of Social and Personal Relationships(2026-09-17)
方法
初回の横断調査(N = 204)と、その後の日記調査(N = 162、記録数 K = 850)
原典
https://doi.org/10.1177/02654075261475433

関口美奈子の読み方

婚活では、趣味や性格が「似ているか」で相手を見がちです。でもこの研究が示したのは、性格の似かたとは別に、同じ瞬間に同じことを感じたという手ごたえが、その日の関係の満足と結びついていたということでした。

同じものを見て、同じところで笑って、目が合う。その一瞬、二人は瞬間の相席をしています。プロフィールの一致は会う前から分かりますが、瞬間の相席は、一緒に過ごしてみないと起こりません。しかもこの研究では、日によってその頻度が揺れていました。相性は固定された答えではなく、その日その日に生まれたり生まれなかったりするものなのですね。

印象的なのは、相手が本当の自分を知ってくれているという感覚とも関連していた点です。長く語り合わなくても、同じ瞬間に同じ反応をしただけで「この人は分かってくれる」と感じる。恋の始まりの不思議な確信は、案外この積み重ねなのかもしれませんね。相手への思いやりある行動の自覚とも関連していたのも、同じ景色を見た人には自然とやさしくなれるからだと思います。

持てる人は、相手と同じものを面白がる余白を持っています。正解の会話を探すより、目の前の景色を一緒に味わうこと。そこから火花は自然と生まれるはずです。

明日からの一手

  1. デートは会話だけの店より、一緒に同じものを見る場所を選ぶ。展示や景色の前では、同じ瞬間に反応する機会が増えます。
  2. 相手が笑ったり驚いたりしたら、その気持ちを言葉で受け取る。「今の、私も同じこと思いました」と一言そえるだけで十分です。
  3. プロフィールの共通点探しは入口にとどめる。会ったあとは、似ているかより、同じ瞬間に何を感じたかを振り返ってみる。
この研究の読み方の注意
対象はすでに恋人がいる人で、関連を調べた研究です。Iシェアリングが満足を生んだのか、満足しているから同じ体験と感じやすいのかは区別できません。どれも本人の自己申告にもとづきます。

研究を、明日の会話に変える

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解説:関口美奈子(恋愛心理研究家・作家)
のべ3万人以上の恋愛・婚活相談の現場から、海外の研究を日本の恋と婚活の言葉に翻訳しています。プロフィール

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