こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。結婚相談所「エースブライダル」を運営しています。
二月三日の夜、豆をまきながら「鬼は外、福は内」と唱える。あの行事の順番を、婚活の相談の場でふと思い出すことがあります。
先に言い切ります。婚活がうまくいかない人の多くは、福を呼び込む工夫ばかりを足していて、鬼を外に出す工程を、まるごと飛ばしています。条件を増やす、プロフィールを盛る、出会いの数を増やす。足すことばかりに気を取られていると、本当は先に手放すべきだった思い込みや習慣に、気づけないまま婚活が長引いていきます。相談の場でうまくいく方といかない方を分けているのは、才能でも年齢でもなく、先に何を手放したかという、ただ一点であることが少なくありません。今日は、婚活において何を先に手放すべきか、節分という古い行事の構造から考えてみます。
節分の構造は、婚活の順番そのもの
節分の豆まきには、奇妙なほど正確な順番があります。まず「鬼は外」と唱えて悪いものを外に出し、そのあとに「福は内」と唱えて良いものを呼び込む。順番が逆になることは、まずありません。鬼を家に残したまま、福だけを呼び込もうとする人はいないからです。掃除をしないまま、客間に客を招く人がいないのと、同じ理屈です。
ところが婚活の相談の場に座ると、この順番が逆転している方に、驚くほどよく出会います。「もっと魅力的に見せたい」「もっと条件のいい人と出会いたい」という福を呼ぶ発想が先に立ち、家の中に何が居座っているかを、誰も点検していない。婚活がうまくいかない原因は、呼び込む力が弱いからではなく、先に出すべきものを出していないから、という見立てのほうが、実際の相談では当たっていることが多いのです。婚活がうまくいかない原因を一つひとつ数えていくと、たいていこの出し忘れに行き着きます。
鬼在庫の正体
家の中に居座る鬼には、姿があります。婚活の相談でよく見かけるのは、次のようなものです。別れた相手への未練が、そのまま条件リストに紛れ込んでいる。「こんな人じゃないと無理」という思い込みが、出会った当日の印象を先回りして決めてしまう。過去にうまくいかなかった恋愛の記憶が、新しい相手の些細な言動に、昔の誰かを重ねさせる。
自己紹介文の中に、自分では気づかないまま、かつての相手への当てつけのような一文が紛れ込んでいることもあります。「誠実な人を望みます」の一言の奥に、「誠実でなかった誰か」への未消化な怒りが隠れている。こうした鬼在庫は、棚の奥に置かれたまま、本人も気づいていないことがほとんどです。福を呼び込む工夫を足すより先に、この在庫がどれだけあるかを数えることのほうが、婚活においてはよほど効果があります。鬼在庫は、努力不足で溜まるものではありません。一度でも傷ついた経験があれば、誰にでも自然に積み上がっていくものです。
鬼を外に出す、婚活の豆まき
鬼在庫を出す作業は、特別なことではありません。まず、条件リストを一度すべて書き出し、どの項目が「自分がこうありたいか」で、どの項目が「過去に傷ついた記憶への防御」なのかを仕分けます。防御のために積み上げた条件は、新しい相手を試す前から断っている鬼そのものです。一つずつ声に出して読み上げてみると、どの条件が本心で、どの条件が古傷の上に貼った絆創膏なのか、意外とはっきり見分けがつきます。
次に、比べグセを手放します。婚活アプリを何件も並行して眺め、一人ひとりの欠点を集めて、存在しない完璧な相手と比べ続ける。忙しい人の婚活で触れているように、一人回しをやめるだけで、時間だけでなく、比べるために使っていた心の容量まで戻ってきます。空いた容量は、そのまま次に出会う人を迎える場所になります。
最後に、過去の恋愛を一度、言葉にして締めくくります。誰かのせいにせず、何を学び、何を手放すのかを、紙に書くか、口に出すか。節分の豆まきが、ただ思うだけでなく、実際に体を動かして豆を投げる行事であるように、鬼を出す作業も、頭の中で思うだけでは終わりません。手を動かし、言葉にして、初めて家の外に出ていきます。
福は、鬼を出したあとにしか居着かない
家の鬼を出さないまま、福を呼ぶ工夫だけを重ねる人を、私はたくさん見てきました。新しい写真を撮り直し、新しい自己紹介文を練り、新しい婚活サービスに登録する。どれも悪いことではありません。けれど、鬼在庫が残ったままだと、せっかく入ってきた福も、長く居着かずに出ていってしまいます。良さそうな相手に出会っても、過去の影と重ねて早々に見切りをつけてしまう、というようなかたちで。
これは、器の話でもあります。持てる人ほど、自分の中に空いた場所を持っています。過去の未練や思い込みで棚がいっぱいの人は、相手の良さに気づく余裕も、相手の欠点を受け止める余裕もありません。福を呼び込む力とは、話し方や見た目の工夫である以前に、何かを迎え入れるための空席を、自分の中にどれだけ空けておけるかという問題なのです。婚活に疲れたときに感じる息苦しさの多くも、鬼在庫で棚がいっぱいになっているサインかもしれません。
まとめ:鬼は外、縁は内
節分の夜に唱える言葉を、婚活用に少しだけ言い換えるなら、「鬼は外、縁は内」になります。福を呼び込む工夫を足す前に、まず鬼在庫を数え、外に出す。未練、思い込み、過去の影。それらを一つずつ手放した分だけ、新しい縁が入ってくる場所が空きます。
手放すことは、諦めることではありません。むしろ、次の縁をきちんと迎え入れるための、いちばん確実な準備です。もし、自分一人では何が鬼在庫なのか見分けがつかないという方がいたら、それも自然なことです。長く抱えてきたものほど、自分では気づきにくいものだからです。
私たちエースブライダルでは、仲人があなたの婚活をお聞きしながら、何を手放し、何を育てていけばいいのかを、一緒に整理しています。福を呼び込む前の一歩として、まずは無料相談で、あなたの鬼在庫を一緒に数えさせてください。
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