価値観より、プレイリストが似ている二人
「価値観が合う人」を探すより、同じ曲で黙れる人を探したほうが早いのかもしれません。
この研究でわかったこと
恋人同士が音楽の好みでどれだけ似ているかを、ジャンルとアーティストの両面から調べた研究です。三つの研究と小規模なメタ分析の結果、実際のカップルは、無作為に組み合わせた見かけ上のカップルより音楽の好みが一貫して似ていました。しかもその似ている度合いは、価値観やビッグファイブの性格特性で見られた似かたを上回っていました。さらに一部の分析では、音楽の好みが似ているほど関係の評価がわずかから中程度に良いという関連も見られました。
- 論文
- 好みのハーモニー:恋愛関係における音楽の好みの一致と相性
- 掲載誌・公開
- Social Psychological and Personality Science(2026-08-12)
- 方法
- カップル309組(若い成人が中心)を対象とした三研究と小規模メタ分析
- 原典
- https://doi.org/10.1177/19485506261472146
関口美奈子の読み方
婚活のプロフィールで「価値観が合う人」と書く方は本当に多いです。でも価値観は、会って数回では見えにくいもの。この研究で恋人同士がいちばん似ていたのは、価値観でも性格でもなく、音楽の好みでした。
出会いの入口として、耳の相性はもっと大切にされていい気がします。好きな曲は、その人がどんな夜を過ごし、どんな気分を大事にしてきたかの履歴書のようなもの。言葉で説明しにくい感性が、プレイリストには正直に出てしまうのですよね。だから出会いの場で音楽の話をするのは、ただの雑談ではありません。マッチングアプリのプロフィールに好きな音楽を載せる人が多いのも、感性の名刺を差し出しているからだと思います。
ただし、好みが似ていることと、関係がうまくいくことの結びつきは、一部の分析で小さく見られた程度です。同じ曲が好きなら安泰、という話ではありません。むしろ大切なのは、相手の好きな曲を「知らない」で終わらせず、一度聴いてみる余裕のほうだと思います。違う好みに出会ったときこそ、自分の世界が一曲ぶん広がるチャンスです。
持てる人は、自分の好みを押しつけず、相手の世界をのぞきに行けます。耳の相性は最初から合っているものでもあり、一緒に聴いて育てていくものでもあるはずです。
明日からの一手
- プロフィールに好きなアーティストを一組だけ具体的に書く。ジャンル名より、固有名詞のほうが会話の糸口になりやすいです。
- 初デートで「最近よく聴いている曲」を聞いてみる。知らない曲なら、その場で一緒に少しだけ聴いてみる余裕を持つ。
- 相手の好きな曲を後日聴いて、短い感想を送る。好みが違っても、聴いてくれたこと自体が相手への敬意として届きます。
対象は若い成人が中心で、すでに付き合っているカップルを調べたものです。似ているから惹かれたのか、一緒にいて似てきたのかは要旨からは分かりません。関係の良さとの関連も一部の分析にとどまります。
研究を、明日の会話に変える
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