こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。
結婚相談所「エースブライダル」を運営しながら、のべ3万人以上の男女と向き合ってきました。大人世代の婚活は、私たちがもっとも多く伴走してきた領域です。
このページは、中高年の婚活を、始め方から成婚まで順を追ってたどれる完全ガイドです。
先に結論を言います。中高年の婚活で不利になるのは、年齢ではありません。自分で数えてしまった「減点の在庫」です。
まず結論|中高年の婚活は「条件」ではなく「編集」で決まる
大人世代の方が最初に口にするのは、だいたい同じ言葉です。「この年齢で」「離婚歴があって」「親の介護もあって」「収入も昔ほどでは」。
これを私は「減点の在庫」と呼んでいます。誰にも言われていないのに、自分で棚卸しして、自分で積み上げてしまった不利の山のことです。
ところが現場で見ていると、同じ経歴を持つ二人が、まるで違う結果になります。分けているのは経歴そのものではなく、その経歴をどう差し出したか。私はこれを「履歴の編集力」と呼んでいます。中高年の婚活は、条件の勝負ではなく編集の勝負です。
「減点の在庫」を数える人から、ご縁は逃げていく
なぜ在庫を数えるとうまくいかないのか。理由は単純です。数えている人は、相手のことも同じ目盛りで数え始めるから。
自分に値札を貼る人は、必ず相手にも値札を貼ります。そして値札の貼り合いから、温かい関係が生まれたことは一度もありません。
もうひとつ。在庫を数える人は、会話の主語が「私は◯◯だけれど」になります。断られる前に自分から弁明を始めてしまう。相手は、あなたの経歴ではなくその怯えのほうを受け取ります。
履歴の編集|過去を「言い訳」から「物語」に変える3手順
編集といっても、経歴を偽ることではありません。事実は一切変えずに、置き方だけを変える作業です。
手順①|事実と解釈を、分けて紙に書く。「離婚した」は事実です。「だから自分は結婚に向いていない」は解釈です。混ざったまま持ち歩くと、事実まで重くなります。まずは分けてください。
手順②|順番を、結論から背景へ入れ替える。「いろいろあって、結果的にこうなって……」と時系列で語ると、言い訳に聞こえます。「一度結婚して、学んだことがあります」と先に置いてから背景を話すと、同じ内容が経験になります。
手順③|相手の得になる形に、たたむ。過去の話は、自分の説明で終わらせず「だからあなたにはこうできる」まで持っていきます。経験とは、相手に渡せる形になって初めて価値になります。
立場別の進め方|あなたはどこに立っているか
ひとくちに中高年の婚活といっても、立っている場所で戦い方が変わります。ご自身に近いものから読んでください。
中高年の婚活で、必ず出てくる3つの論点
大人世代の婚活には、若い頃には存在しなかった論点があります。避けずに、先に言葉にしておくほど楽になります。
① お金。年収の額そのものより、お金の考え方が合うかが問われます。貯蓄をどう扱うか、住まいをどうするか、財産のことをどう決めておくか。数字を隠して進むと、必ずあとで揉めます。早い段階で、事務ではなく相談として話せる相手かどうかを見てください。
② 親。大人世代の結婚には、双方の親の年齢という現実がついてきます。介護の可能性を「まだ先の話」として棚に上げず、「そのときお互いにどう関わりたいか」を価値観として話しておく。これは重い話に見えて、実は最も相手の器が見える話題です。
③ 成人したお子さんとの関係。すでに独立したお子さんがいる場合、結婚は二人だけの話では終わりません。急いで家族にしようとせず、時間をかけて敬意を通すこと。無理に距離を詰めないほうが、結果的に早くまとまります。
出会いの場は、どう選ぶか
中高年の婚活で使われる場は、大きく三つです。手軽さと費用ならマッチングアプリ、本気度とサポートなら結婚相談所、その場の空気を確かめたいなら婚活パーティー。
大人世代に相談所をおすすめすることが多いのは、格式の問題ではありません。独身であることと結婚の意思が確認されている相手だけに会えるという一点で、限られた時間の使い方が変わるからです。数を打つ婚活は、体力も心も削ります。
一方で、自分で判断して動けるタイプの方には、アプリのほうが合うこともあります。決め手は年齢ではなく、「自分は伴走が必要なタイプか」です。
見た目は「若さ」ではなく「手入れ」で戦う
大人世代の見た目は、若さを取り戻す競争ではありません。手入れが行き届いているかどうかの一点です。そしてここは、努力がそのまま反映される、いちばん公平な場所でもあります。
髪、眉、爪、におい、靴。特に眉は、大人の男性の印象を大きく左右します。自己流で細く整えるより、一度プロに骨格に合う形を作ってもらうほうが確実です。写真を撮るなら、その後にしてください。
なぜ、中高年の婚活はこれほど増えたのか
最後に、少しだけ視点を引きます。中高年で結婚を考える人が増えたのは、個人の事情が変わったからではありません。社会の側で、縁を運んでくる装置が外れたからです。
地域、職場、親戚。かつては黙っていても縁を持ってきてくれた仕組みが次々と縮小し、いま縁は自分で市場に取りにいくものになりました。私が「縁の市場化」と呼んでいる変化です。
そしてこの変化を、いちばん準備なく受けたのが、いまの大人世代です。あなたが婚活で苦戦しているとすれば、それは能力の問題ではなく、手順を教わる機会がなかっただけです。だから、いま覚え直せばいい。それだけの話です。
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おわりに|持ち時間は、焦る理由ではなく選ぶ理由
大人世代の婚活で、いちばん惜しいのは「もう遅い」と自分で降りてしまうことです。遅いのではありません。持ち時間が有限だと、はっきり見えているだけです。
そしてそれは、焦る理由ではなく選ぶ理由になります。合わない相手に長く付き合う必要はもうない。見栄を張る必要もない。減点の在庫を下ろして、渡せる経験だけを持って出ていけばいい。
これまでの人生は、削って隠すものではなく、編集して差し出すものです。あなたの履歴が、誰かにとっての安心になりますように。
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