こんにちは。恋愛心理研究家の関口美奈子です。結婚相談所「エースブライダル」を運営しています。
結婚相談所で真剣交際に進んだ方から、声をひそめて聞かれる質問があります。「体の相性を確かめないまま、結婚を決めて大丈夫でしょうか」。婚前交渉が禁止だと知っているからこそ、不安になるのですね。
先に結論をお伝えします。体の相性は、体を重ねる前にも、かなりの部分が見えています。見るべき場所を知らないだけなのです。
このページは、結婚相談所で活動している方のためのコラムです。「体の相性」そのものの正体については体の相性とは|「合う・合わない」の正体と、向き合い方にまとめていますので、一般的なお話はそちらをどうぞ。ここでは、相談所のルールの中で、何を見て決めればいいのかを掘り下げます。
結婚相談所の婚前交渉は禁止:IBJのルールを原文で確認
「どこまでならいいの?」を考える前に、まずルールそのものを、書かれているとおりに確認しておきましょう。噂や体験談ではなく、原文です。
IBJの「お見合いと交際のルール&マナー」には、交際期間中の禁止事項として、次の一文があります。
交際期間中の旅行や婚前交渉、金銭の授受・貸借は禁止です。
そして、お見合い後の交際期間は、お見合い日から3ヵ月間がルールとされています。そのうえで、次のようなものは「成婚」とみなすと定められています。
- 結婚の口約束
- 宿泊
- 宿泊をともなう旅行
- 婚前交渉
- 同棲
- 交際期間を延長し、通算6ヵ月を経過した場合(交際期間は原則3ヵ月)
さらに、お二人で外泊や旅行に行かれた場合、または婚前交渉の事実が明白になった場合は、成婚のご意思の有無にかかわらず、成婚とみなし、成婚退会手続きを行うとされています(出典:IBJ「お見合いと交際のルール&マナー」)。
エースブライダルもIBJの加盟相談所ですので、このルールの中で活動していただきます。
なぜ禁止なのか:体の関係を「結婚の決意」と同じ重さで扱うため
ルールの原文には、婚前交渉を禁止する理由そのものは書かれていません。ここからは、相談所を運営する私の見方としてお話しします。
注目してほしいのは、婚前交渉が「罰する行為」として並んでいるのではなく、「結婚の口約束」や「同棲」と同じ列に、「成婚とみなすもの」として置かれていることです。つまりこのルールは、体の関係を、結婚の決意と同じ重さのものとして扱っています。
結婚相談所では、同じ時期に複数の方と仮交際をすることがあります。その中で体の関係が先に進むと、選ぶ目がくもります。人は、体を許した相手を「もう引き返せない相手」だと感じやすいからです。安心して比べ、落ち着いて選べる場所であるために、体の関係は「決めたあと」に置かれている。私はそう受け止めています。
言いかえれば、これは禁止というより順番の約束です。体で確かめてから決めるのではなく、決めてから、体でも知っていく。相談所の結婚は、この順番で進みます。
どこまでならいい?手をつなぐ・キスの線引き
いちばん多い質問が、「どこまでならいいのか」です。ここは、原文に書かれていることと、書かれていないことを分けてお伝えします。
原文にあるのは、次の一文です。
お見合い後の初デートで良い雰囲気になったとしても無理やり手を繋いだりボディタッチをしたりするのはNGです。
ここでNGとされているのは、「無理やり」であることです。手をつなぐこと自体を禁止する記述はありません。裏返せば、触れることには、相手の同意と気持ちの準備が前提になるということです。
一方で、キスについては、原文に記述がありません。インターネットには「キスまではOK」という情報も見かけますが、IBJのこのページで確認できることではありません。所属する相談所によって考え方が違う可能性もありますので、迷ったら、担当のカウンセラーに確認してください。聞きにくいことほど、先に聞いておくほうが、ふたりとも安心して交際できます。
婚前交渉はバレる?ルールに書かれている事実
「黙っていればバレないのでは」と検索する方もいます。ここも、ルールに書かれている事実だけをお伝えします。
原文にあるのは、外泊や旅行に行った場合、または婚前交渉の「事実が明白になった場合」は、成婚の意思の有無にかかわらず、成婚とみなし成婚退会手続きを行う、ということです。また、退会後に活動で知りあった方と報告なく成婚した場合については、「調査費用および成婚料相当をお支払いいただきます」と書かれています。エースブライダルでは、成婚退会の際に成婚料330,000円(税込)をお支払いいただいています(成婚料の考え方は結婚相談所の成婚料で詳しくお話ししています)。
そのうえで、私がお伝えしたいのは、「バレるかどうか」という問いの立て方そのものです。隠す前提で進んだ関係は、結婚の入口に、ふたりだけの秘密をひとつ置きます。そして、ルールより欲求を優先できる相手だと、お互いに知ってしまう。体の相性を確かめたつもりが、信頼の相性を先に削っているのです。
体の相性を確かめずに結婚して、離婚にならない?
ここが、いちばん深い不安だと思います。「結婚してから合わないと分かったら、取り返しがつかないのでは」。
まず、体の相性とはでもお話ししたとおり、体の相性は最初から決まっているものではありません。心地よさの正体は、テクニックや体の構造より、どれだけ安心して、気持ちを伝え合えるかに大きく左右されます。最初はぎこちなくて当然で、信頼が深まるほど変わっていくものです。
だから、本当に心配すべきことは「相性が分からないこと」ではありません。性について話せない関係のまま結婚することです。合わないと感じたときに、それを口にできない。相手の戸惑いに気づいても、触れずに流してしまう。すれ違いを長引かせるのは、相性そのものより、この沈黙です。
逆に言えば、話せる関係なら、相性は結婚してからでも育てられます。体を知らずに結婚する不安は、話せる相手を選ぶことで、ずいぶん小さくできるのです。
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。成婚は、婚約のことです。入籍の日でも、結婚式の日でもありません。成婚退会したあと、入籍までの時間は、ふたりで暮らし方や価値観をすり合わせていく時間になります。決めてから、ゆっくり知っていく。その時間も、ちゃんと用意されています。
寝室の手前で見る、体の相性5つのサイン
では、交際中に何を見ればいいのか。体の相性は、寝室の手前にも、はっきり表れています。私が真剣交際の方にお伝えしている視点は、次の5つです。
1.触れ方に、相手への想像力があるか
手をつなぐとき、エスコートするとき、肩にそっと触れるとき。その触れ方に、「いま大丈夫かな」という確かめがあるかを見てください。こちらの反応を見ながら触れられる人は、親密な場面でも、あなたの心地よさを見ようとする人です。反対に、自分のタイミングだけで距離を詰めてくる人は、別の場面でも同じことをしがちです。
2.距離感が、心地よいか
隣を歩くときの近さ、向かい合って座ったときの間合い。理由は分からないけれど落ち着く、あるいは、なぜか身構えてしまう。この感覚は、軽く扱わないでください。体は、言葉より先に本音を知っています。何度会っても身構えが解けないなら、その理由をカウンセラーと一緒に言葉にしてみましょう。
3.清潔感に、自分から気を配れるか
身だしなみ、香り、爪の手入れ、服の清潔さ。これは見た目の好みの話ではありません。相手の目にどう映るかを想像できるかという、他者への配慮の表れです。清潔感に気を配れる人は、親密な関係の中でも、相手の心地よさを気にかけられる人であることが多いものです。
4.性の価値観を、会話にできるか
婚前交渉は禁止でも、性について話すことは、IBJのルールで禁止されていません。子どもを望むかどうか、スキンシップはどれくらいあるとうれしいか、疲れているときはどうしたいか。具体的な行為の話ではなく、ふたりの暮らしの中で、性をどう位置づけたいかを話せるかどうか。ここに、体の相性の多くが映ります。
5.「嫌」と言える関係か
そして、いちばん大切なのがこれです。小さなことで「それはちょっと苦手」と伝えたとき、相手がどう受け止めるか。不機嫌になるのか、「教えてくれてありがとう」と言えるのか。「嫌」を言える関係は、「好き」も言える関係です。親密さの土台は、断っても壊れない安心感にあります。
性の価値観は、真剣交際でどう切り出すか
「そんな話、どう切り出せばいいの」と思いますよね。コツは、いきなり性の話から入らないことです。
たとえば、結婚後の暮らしの話の流れで。「休日は、くっついて過ごしたいほう?それぞれ好きなことをしたいほう?」。ここから、スキンシップの好み、疲れたときの過ごし方、家族計画へと、少しずつ話を広げていきます。主語は「私」にして、「私は、こういうことを大事にしたいと思っている」と伝えると、相手も答えやすくなります。
相手が照れて話をそらしたとしても、それだけで判断しないでください。大事なのは、上手に話せるかより、話そうとしてくれるかです。話し方のコツはパートナーと性について話せないときにもまとめています。真剣交際の進め方全体は真剣交際から結婚へ進めるにはも参考にしてください。
婚前交渉を求められたら:断り方で、相手が見える
交際相手から、婚前交渉や宿泊を求められることもあるかもしれません。そのときは、無理に応じる必要はまったくありません。
断るときは、ルールを盾にするより、自分の気持ちとして伝えるのがおすすめです。「あなたのことを大切に思っているから、順番を大事にしたい」。こう言われて、あなたの気持ちを尊重できる人かどうか。断ったあとの反応こそが、いちばん正直な相性診断です。
待てる人は、持てる人です。自分の欲求より、相手の気持ちと約束を大切にできる余裕のある人は、結婚してからも、あなたのペースを大切にしてくれます。迷ったときは、ひとりで抱えずに担当のカウンセラーに相談してください。似たお悩みは付き合う前に体の関係を急がれたときでもお話ししています。
まとめ:体の相性は、寝室の手前で見えている
IBJのルールでは、交際期間中の旅行や婚前交渉は禁止で、婚前交渉は「成婚」とみなすものに含まれています。手をつなぐことについては「無理やり」がNGとされ、キスについては記述がないため、担当のカウンセラーに確認するのが確実です。
そして、体の相性を確かめられない不安には、こうお答えします。触れ方、距離感、清潔感、性の価値観を話せるか、「嫌」と言える関係か。体の相性は、寝室の手前で、もう多くのことが見えています。残りは、決めてから、ふたりで育てていけばいいのです。
エースブライダルは、関口美奈子が主宰するIBJ加盟の結婚相談所です。IBJアワードを7回いただき、全国対応で活動をお手伝いしています。最初の面談(無料相談)は基本オンラインですので、こうしたデリケートな不安も、気軽にお聞かせください。女性の方は女性の婚活は結婚相談所でもご覧ください。
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